連絡帳、おたより、指導計画、保育の記録・・・保育士は、文章を書くことが多い仕事です。しかし、文章を書くのが苦手、という人は多いのです。
私も、指導計画書くのが苦手。
とても時間がかかっちゃうの。
文章を書くのが上手だったり、好きなら仕事もスムーズなのに。文章力を上げて、保育士のスキルアップをしましょう!
文章が上達するコツ5選、紹介をします。
おちゃぷです。保育士の現場で20年以上。
今は、主任として、園長先生の補佐、保育士の書類やおたよりの文章チェックをしています。そして、園だより、保育園のHPの作成、保育士や実習生の評価表なども書く業務をしています。
今、このような仕事をしていますが、現場で働いている頃は文章を書くのが苦手でした。
クラスだより、何度書き直しをされてきたのか・・・・。
保育士の書いた文章をチェックをする立場となり、文章の書き方を学びました。
どうしたら上達をするのか、悪戦苦闘をしながら身につけたコツの5選です。
読みやすい文章のコツとは?
せっかく書いた文章。保護者宛のクラスだよりなど、ぜひ読んでもらいたいですよね。
文章を書くときのコツを紹介します。
一文を長くしない
文章が長いと、読むのみ飽きてしまいます。また、読んでいるとどのようなことが書いているのか分からなくなってしまうことも。一文は、短くすっきりとした文章がいいですね。
例文 今日の給食のみそ汁には、大根やごぼう、たまねぎ、じゃがいもなどたくさんの野菜が入ったので、〇〇ちゃんは野菜が苦手だから一口食べた時にたくさん褒めると嬉しそうな顔をして、頑張って食べ、いつの間にか完食をしました。
一文を短くした文章はこちら。
例文 今日の給食は、野菜がたくさん入ったみそ汁でした。いつもは野菜があると首を振る〇〇ちゃん。今日は一口食べた時にたくさん褒めると嬉しそうな顔をしてました。そして、次々に野菜を食べ、いつの間にか完食です!とても頑張っていましたよ。
1つの文章が短いと、さらっと読めることでしょう。
連絡帳や保護者あてのおたよりは、いろいろな人が読みます。
せっかく書くなら、読んでもらいたいですよね。
句読点の位置に気をつける
句読点の位置に気をつけると、読みやすい文章になります。
どのように書くといいのか。
自分の書いた文章を声に出して読んでみましょう。
口頭で話す時に自然と息を吸うタイミングに合わせて打つと、分かりやすいですよ。
あまりに長い文章では、句読点があることで文章にリズムができ、読みやすくなります。
逆に句読点が多すぎる文章では、流れが乱れ読みにくくなってしまうこともl。
声に出して読むことで、文章のリズムがつかみやすくなります。
漢字とひらがなの割合を意識する
漢字がたくさん入っている文章は、見た目で難しそうな印象を与え、読む気持ちが失せてしまいます。
また、保育の現場や指導計画では、ふだん使わないような言葉を書くことも多いですよね。
保育の現場で使う文章では、あえて漢字にしないことがあります。
- 様々・・・さまざま
- 〇〇の事を・・・・〇〇のことを
- 子供・・・・子ども
- ~して下さい・・・・・~してください
- 出来事・・・できごと
これらの文字は、ひらがなにすることで読みやすくなります。
漢字とひらがな、カタカナをバランスよく使うことで、印象が変わります。
【漢字】表現に重みがあり、堅い印象に。
【ひらがな】やわらかく、親しみやすい印象に。
【カタカナ】新鮮でシャープな印象に。
保育園からのお知らせは、やわらかく、親しみやすい方が小さい子のイメージに合いますね。
ひらがなばかりでも、読みにくくなりますので、漢字とひらがなの割合を意識しながら文章を書くと、読みやすくなります。
語尾に変化をつける。同じ語尾の終わり方は2回まで。
3 語尾に変化をつける。同じ語尾の終わり方は2回まで。
「~です。」「~ます。」「〜でした。」のような語尾の繰り返しは、単調で読む人が飽きてしまいかねません。
そのため、語尾が同じにならないために、「~です。」「~ます。」「〜でした。」以外の文末表現のバリエーションを増やす工夫が必要です。
例文 今日は、園庭で遊びました。砂場では、ご馳走を作りました。ごはんができると、嬉しそうな表情をしていました。そして、友だちに作ったごはんを「どうぞ」と差し出していました。
語尾を変えた文章がこちら。
例文 今日、砂場でごはんを作って遊びました。お皿においしそうなごはんができると嬉しそうな表情に。友だちに作ったごはんを「どうぞ」と差し出して楽しんでいましたよ。
語尾に変化をつけることで、文章にメリハリが生まれ、読みやすい文章になりました。文末表現に変化をつけ、読みやすい文章にしましょう。
何を伝えたいのか明確にした文章
わずかな休憩時間に急いで書く連絡帳。しかも何冊も一度に書かなければならないので、業務の負担になる、という保育士は多くいます。
しかし、保護者とのやりとりをするためには、必要です。
少しでも短い時間に、そして読み応えのある文章が書けると効率的です。
連絡帳
我が子の様子が詳しく書いてあると、よく見てもらえていると
感じます!先生、ありがとう!!
子どもの様子がどうだったのか、具体的な場面が書いてあると、保護者の方は喜びます。
保育士 毎日同じ遊びをしているので、書く内容がなくて、困っちゃう。
このような場合、同じ遊びをしていても、具体的に遊びの様子を書くと、毎日同じような文章にはなりません。
例文 外でダンゴムシを見つけると、怖くて後退りをしていた〇〇ちゃん。友だちが、興味津々にダンゴムシに近づいていくと、〇〇ちゃんも少しずつ興味を持ったようで、そっと指を伸ばしていました。はじめはドキドキしていたけれど、慣れてきたら手のひらに乗せて楽しんでいました。
何をして遊んでいたのか。
その時、どのような様子だったのか。
どうなったのか。
一瞬の場面を取り上げるだけで、保護者の方は、我が子をよく見てくれているんだな、と感じ取ってくれます。
子どもの悪い様子、否定的なことは書かない。
連絡帳は、記録として保護者の手元にずっと残ります。
いつかまた、連絡帳を振り返って読んだ時、否定的なことが書いてあると、保育園に良い印象は与えれません。
トラブルや怪我、気になる様子などは、できる限り口頭で保護者の方に伝えましょう。
おたより(クラスだより・園だよりなど)
クラスだよりやドキュメンテーション(子どもの普段の活動を写真や動画、音声、コメントなどで記録をするもの)など、遊びや様子を保護者へ発信するとき、できごとだけをツラツラと書くのはやめましょう。
連絡帳と同様、子どもの様子や子どもの変化を具体的に書くと、喜ばれます。
例文 先週の木曜日、遠足に出かけました。友だちと手をつなぎ、ひまわり公園まで歩いて行きました。公園に着いたらお茶を飲み、すべり台や鉄棒など、好きな遊具で遊びました。たくさん遊んだ後は、おまちかねのお弁当!おうちの方が作ってくれたお弁当をおいしそうに食べましたよ。おいしいお弁当の準備、ありがとうございました。
できごとだけでなく、子どもの様子や言葉を入れた文章がこちらです。
例文 先週の木曜日、ひまわり公園へ遠足に出かけました。とても楽しみにしていた遠足。「明日晴れますように!」と、前日にみんなで”てるてる坊主”を作ったおかげで、見事に晴れました!公園では、普段とは違う遊具で喜ぶ子どもたち。すべり台や鉄棒など、思いっきり楽しんで遊びました。たくさん遊ぶとおなかがすき、「早くお弁当食べたいよ!」とあちこちから声が聞こえてきます。お待ちかねのお弁当タイム。おうちの方が愛情たっぷりに作ってくれたお弁当を、友だちと嬉しそうに見せ合いっこをしながら食べました。お忙しい中、お弁当の準備をしてくださり、ありがとうございました。
子どもが楽しみにしていた様子を”てるてる坊主”を作ったことで伝える。また、話し言葉を入れることで、子どもの気持ちが伝わりやすくなります。
おたよりを書くときのポイント
イラストを入れる
かわいいカット集が本屋さんにあります。また、ネットでも画像を取り込むことができます。イラストを入れて、かわいらしいおたよりを書くと、読みやすくなります。
1文は短く、回りくどくならないように
1文の文章が長くなりすぎないように気をつけましょう。あまり長いと、読まれにくくなります。
行間を適度に開ける。狭くなりすぎないように。
行間を適度に開ける。狭くなりすぎないように。
行間が開きすぎていたり、狭すぎると読みにくくなります。また、文字が小さく詰まっているのも、読みたくなくなります。
レイアウトの工夫
レイアウトは、他の保育士のおたよりなどを見て、見やすいな、と感じたレイアウトを参考にすると良いでしょう。
専門用語や、難しい言葉を使わない
咀嚼、喃語、午睡、癇癪・・・
保育業界では、普通に使われる言葉ですが、日常あまり使わない言葉です。
また、漢字も難しいため読みにくく、意味も分かってもらえません。
咀嚼・・・「よく噛んで食べる」
喃語・・・「あーあー、と声を出す」
午睡・・・「お昼寝」
癇癪・・・「声を荒げて怒ったり泣く」
など、難しい言葉は分かりやすい言葉に置き換えましょう。
指導案のポイント
部分案、日案、週案、月案、年案・・・
指導計画は常に書きますよね。
今の子どもの姿を捉える【子どもの姿】
子どもたちはどのように成長をしてほしいのか【ねらい・目標】
そのためには、どのような環境を整えると良いのか【環境設定】
どのような関わりをしていくか【配慮と援助】
この順番で書くと、とても書きやすくなります。
経験が浅いと、子どもの年齢に沿った発達を捉えて指導計画を立てることは難しいです。
指導計画の本があるので参考にしてみましょう。
指導計画の本があることで、年齢に沿った指導計画が立てられる、時期に応じた活動が取り入れられる、という利点があります。
文章を書くのが上手になるポイント5選
1・いろいろな保育士のおたよりや指導計画を読む
一番身につくのは、人が書いたものを見ることです。人が書いたものを読むことで、良いところはマネをしたり、”こうするといいかな”と思ったりします。
同じ保育園の先輩や同僚の書いたものでしたら、保育園の特徴や伝えてきたことなどを知ることもできます。
2・本を読む
たくさんの本に触れることで、語彙力が増します。語彙力が増すと、文章のバリエーションができ、より読みやすい文章になります。また、文章に対する理解力も深まります。
3・自分で文章を書く
”書く”ということは”深く考えること”。
実際に文章を書くことで、考える力が養われます。
4・書き終えたら、声に出して読んでみる
4 書き終えたら声に出して読んでみる
声に出して読むことで、句読点の位置、言い回し、言葉の使い方、誤字脱字など、さまざまなことに気が付きます。
5・第3者に添削をしてもらう
書けた文章は、第3者に添削をしてもらうことで、よかったところ、直した方がよいところが明確になります。
保育園で必要な書類やおたよりなら、園長先生や副園長先生、主任先生に読んでもらうでしょう。そのときに、どのようなアドバイスをもらうのか、教えてもらったらしっかり覚えておくことが大切です。
私も、たくさん添削してもらい、
文法、言葉つかいなど、教えてもらいました。
保育士は文章を書くのが仕事といっても過言ではありません。
そして、自分の書いた文章が保育園の外に広がっていきます。
文章力を鍛えることで、保育士としてのスキルアップになります。
すらすら書けるようになると、業務改善にもつながることも。
ぜひ、たくさんの活字に触れ、文章を書いて、素敵な保育士になりましょう!
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